コミュニティの話
本記事は
クイズやる人 Advent Calendar 2018
https://adventar.org/calendars/3138
の記事(12/3分)として作成したものです。
初めての皆さん、はじめまして。
いつもの皆さん、メリークリスマス。
先人の例に倣ってまずは自己紹介。
クイズネーム:もも
競技クイズ歴:2016年12/29の原宿杯スタート
得意ジャンル:語源、グルメ、生活
デビュー以来、古川洋平さん主催のラボクイズを活動の中心としていますが、今年はインターネットクイズ番組のLOCK OUT(https://sp.ch.nicovideo.jp/quizlivech)に上半期2回、下半期2回、チャンピオン大会1回の5回も出させて頂きました。
さらにあちらこちらのサークルさんにもお邪魔しております。
本当は12/3担当だったのですが、結構な力作を手違いで消してしまい、再執筆に向けて気力の再充填に時間が掛かったため、大遅刻してしまったことを最初に謝りたいと思います。すみませんでした!
さて、このところマナー講師が発明する様々な謎マナーが話題ですが、クイズ界も見渡すとマナーに関連する様々な軋轢がございます。
最近目にしたものですと、ゲストでやってきて持ち込みの企画をやっていくことの是非などが問われておりました。
普通「企画を用意してきました」と言えば喜ばれるものですが、クイズの場には「主催の意向」、「参加者の嗜好」、その他「その会ならではのお約束」といった見えない力が働いていますので、その辺りを無視した企画を打てば出禁の憂き目を見ることすらあるのは致し方ないのだと思います。
そう。このクイズ界、一定数の「三パラは読み切って解答できるのに、場の空気を読むのは苦手な方」を内包した世界でございます。
基本的に個人競技であり、特に恐らく学生さんのクイ研では「たくさん答えられる人が正義」なのでしょう。
私のようにどっぷり大人になってからクイズを始めた者からすると、ややクセが強い方も多いように感じます。
そんなわけで、本日のテーマはクイズを通じたコミュニケーションとコミュニティ形成のお話です。
クイズでコミュニティといえば、やはりオーソドックスなのは同じ大学なり高校なりに通う同好の士が集まって形成されるクイ研が頭に浮かびます。
ナナマルサンバツがアニメ化されたことを含め、高校に新たにクイ研が設立された、という話を耳にすることもありました。
クイ研は集う者が学生であるため、一年ごとに一定数が入れ替わる新陳代謝の激しいコミュニティとなります。
3年ないし4年で構成する人員が(顧問の先生を除けば)丸々入れ替わったりします。
社会人が集うクイズサークルの場合、場所の手配や早押し機の管理など、中心となって運営を行う1人または数人の人物の熱意に会の存続期間や規模が依存します。
学生と違い、本質的に非均質な人の集まりとなるため、誰でも彼でも受け入れていればコミュニティのキャパシティをすぐに超えてしまい、空中分解してしまうことになります。
よかれと思って、少しでもクイズに興味のある人を……と引き込んでいると、幽霊部員的な存在が増えて会の結束が弱まり、ちゃんとやる気のある人だけで新しい会を立ち上げようか、という話になったりします。
また、滅多に新しい人が加わらず、基本的には同じメンバーで活動しているサークルでも、何かのきっかけで内部の人間関係に軋轢が生じて、結果として誰かが脱退したのを機に活動が途絶えがちになったり、中心的な人物の結婚を機に開催頻度が低下したり、といった事態も起こりがちです。
ということで、本エントリーの締めくくりとして、私が数々のコミュニティに関わってきた中から導いた経験則をお伝えして、より良いコミュニティ形成に役立てて頂ければと思います。
○運営人員をベースとするコミュニティサイズ限界の算出方法
安定運営数(運営者への負担があまり大きくなく、存続しやすいサイズ):ファシリテイター数×5
存続可能数(運営者への負担は大きめだが、存続可能であるサイズ):ファシリテイター数×10
20人のコミュニティを維持するのであれば、4人のファシリテイターがいれば安定し、最低2人いれば存続可能であるということになります。
○コミットメントをベースとする健全なコミュニティの構成比
・コア:セントラル:フォロワーが1:2:7に近い
コアメンバー:ファシリテイターとは別にいることが多い。この人がいるからこのコミュニティが存在するのだ、という指針となる人員。
セントラルメンバー:ファシリテイターを兼任することが多い。コミュニティの存続を願い、積極的に運営する人物。
フォロワー:自らは積極的に運営に関わらないが、コミュニティに属していたいという受け身な参加者。
自分がフォロワーだな、と感じるコミュニティにおいては、運営への負担を増やさないためにも新たな人員を呼び込む行為は避けるのが無難であり、仲間を増やしたい意志のある人は積極的に運営に関わるべきということになります。
もし、既に休眠会員が1割を超えているコミュニティがある場合、年末を良い機会として、一度活動実績を洗い直して人員整理をしたり、コミュニティの運営に関わる人数が適切であるかを考える機会を設けてみてはいかがでしょうか。